さて、茶道の魅力その2です。
茶道は「風情」を楽しむ世界ですが、それは何より、「季節感」を大切にしているからです。
日本には明確な四季があり、皆さんも、春の桜や秋の紅葉を楽しまれると思いますが、こうした自然風土があってこそ、日本で茶道という文化が育ち、数百年もの間続いているのだと思います。
具体的には、釜の位置という室礼から、床に飾られるや掛け軸や花、茶碗などの茶道具、そしてお菓子などに季節が反映されます。
「和」菓子が、季節感あふれるスイーツであることは、当ブログでもいくつかご紹介していますが、まさにアートの域です。
また、たとえば「五節句」など、一年を通じて、昔から伝わる行事や慣習というものが日本にはたくさんあります。その時期ごとに、健康や長寿、豊作を祈願したり、あるいは邪気を払うとか、最近は消えつつあるのかも知れませんが、様々な習わしが存在します。
お茶のお稽古をしていると、こうした昔からの日本人の決まりごと、みたいなものを知る場面がたくさんあります。
そして、そうした習わしや慣習というのは、人間が自然の動きを敏感に感じ、かつそれらに逆らわず、豊かに生きていくための知恵なんだということが分かります。
季節を感じるのは、お茶室でなくとも、お茶の稽古をしなくても、もちろん可能でしょう。
しかし、どうでしょうか?
なかなか、普段の生活で、五感をフル回転させて季節を感じたり、その季節感を生活に取り入れて楽しむことは、実際にはあまりないのではないでしょうか?
移ろう季節の情緒を感じられるのは、お茶のお稽古をする大きな魅力の1つだと思います。
ということで、「茶道の魅力 その2」でした。