日本には、古くからいろいろな風習がありますが、それらは、日本人の「自然と神様との付き合い方」ともいうべき特色があると思います。
たとえば、夏と冬の半期に一度行われる「邪気払い」。
半年の間に犯した罪や穢れを取り除くことで、災いを避けることを願う古代から続く儀礼のひとつです。
少し時期が過ぎてしまいましたが、6月30日に行われるもので「夏越の祓(なつごしのはらえ)」があります。
この時期に、上の写真のような「茅の輪」が神社の拝殿前などに設置されているのをご覧になった方、あるいは、「くぐりに行ったよ!」という方もいらっしゃるかと思います。
詳しいお参りの仕方を知りたい方は、各自でググっていただきたいですが(笑)、この茅の輪を(ざっくりいうと)八の字にくぐって邪気を払い、来たる半年の無事を祈るわけです。
また、この時期に「水無月」という和菓子を食べる風習が、京都を中心としてあります。
こういう、小豆を上にのせた餅菓子です。
このお菓子の起源は古く、室町時代、宮中の人のようには氷を手に入れられなかった庶民の間で、氷を食べる代わりに、正月から保存していたお餅で作ったこのお菓子を食べ、暑い夏を健康に過ごせますようにと願ったことに始まるようです。
小豆は、その赤い色に邪気を祓うという意味があります。
お茶の世界でも、6月のお稽古で、このお菓子をいただく教室が多いと思います。
私も先月のお稽古でこのお菓子を準備しました(^ ^)
茶道を習っていると、こうした、昔ながらの風習に触れることが多くあります。
こうしたことは、一見、今の世の中には何の意味もないように思えるかも知れませんが、
昔からある物ごとの由来や成り立ちを知ることは、
背景にある古人の眼差しや経験、現代まで連綿と続く時間に思いを巡らせ、
「神さま」を感じ、「人間」への理解を深める・・・ことに役立つ・・・・ような気が(?)、私はしています。
これも、茶道を学ぶ魅力の1つ、なのです。