茶道の世界では、抹茶の飲み方は二種類あります。
「濃茶(こいちゃ)」と「薄茶(うすちゃ)」です。
「薄茶」は茶杓に1杯半ぐらいの抹茶と、50~60mlぐらいのお湯を入れて点てられます。
絶対この通りでないといけないということではなく、亭主は客にとって最適な抹茶とお湯の量を加減します。
薄茶は「おうす」という言い方をすることもよくあります。
ちなみに、薄茶を点てる時、茶筅をシャカシャカ振りますが、表千家の流儀では、あまり泡だて過ぎないようにします。
世間一般では、薄茶の方が抹茶の飲み方としては主流ですね。
一方、濃茶は、その名のとおり、抹茶を二倍ほど使って「濃いお茶」にします。
使う抹茶の量がそれだけ多いので、お茶はポタージュみたいになります。茶道に馴染みがなければ、驚きかも知れませんね(笑)。
もっとも、実は伝統的な茶道では、お茶を差し上げるということは、本来「濃茶」のことを意味します。
懐石(食事)も振舞われる、いわば、もてなしのフルコースである「茶事」でも、懐石のあとに主菓子をいただき、その後、座を改めて静謐な空気の中、濃茶が振る舞われます。
いかに濃茶を美味しく飲んでいただくか、というところがその核心となります。
なお、お稽古は、薄茶から習います。
お点前の基本は、薄茶で習得することができます。
当教室では、薄茶ができるようになると、濃茶のお客の稽古、そしてお点前のお稽古も少しずつ始めていただくようにしています。