茶道では、道具をおきつける色々な種類の「棚」があります。
写真は、「旅卓(たびじょく)」と言われる棚です。
まあ、正直なところ、あまり広く使われている棚の部類ではないかと思います。
というのも、この棚は、名前のとおり、もともとは外でお茶を楽しむために、つまり持ち運びが便利なようにと、表千家13代家元の即中斎(1901年〜1979年)によって考案されたものなんですね。
持ち運びが便利というのは、なんと、この棚はペターンと折りたためるのですよ(その写真は撮り忘れました・・・)。
収納に便利ですし、何より、小さい。横幅は30cmです。
お稽古をしている茶室の畳が小さめなので、釜の横においても圧迫感のない、小ぶりなものを探していたところ、運良く見つけ、この溜塗の旅卓を入手した次第です。
側面の板は丸く切り込まれ、奥の板には大きな香挾間の透かしがあります。
中棚に薄茶器を置き、下には水差を置きつけます。
見た目も可愛らしく、使い勝手の良い棚です。