写真:職家展〜千家と職家の世界〜 表千家北山会館 令和7年特別展より引用
先月、NHKスペシャルで、「千家十職」が取り上げられている回がありました。
(「新ジャポニズム6集 千家十職”茶の湯”の求道者たち」)
表千家家元も少しご出演されていました。
「千家十職(せんけじゅっしょく)」とは、
千家の流れを汲む茶の湯の道具を、代々にわたって制作する人たち(「職家(しょっけ)」)のことで、
奥村吉兵衛(表具師)、黒田正玄(竹細工・柄杓師)、土田友湖(袋師)、永樂善五郎(土風炉・焼物師)、樂吉左衞門(茶碗師)、大西清右衛門(釜師)、飛来一閑(一閑張細工師)、中村宗哲(塗師)、中川淨益(金もの師)、駒澤利斎(指物師)の十人の職家さんがあり、数百年の歴史があります。
茶器や茶碗、釜など、茶の湯道具の基本・基準としての千利休の好みによる形や色が、それぞれの時代の創意工夫が加えられつつも、各「職家」で守られ、今に伝えられているのです。
そして、今も実際に使う道具として生かされています。
茶の湯の世界の奥深くて面白いところです。
職家さんの存在がなければ、伝統としての茶の湯は残らなかったのではないでしょうか。
長い歴史の中では、戦争や災害もありましたし、明治期には「脱亜入欧」が掲げられ、伝統文化が危機に瀕したような時代もあったわけですし、
職家としての家を繋いでいくことは、さまざまなご苦労があったに違いありません。
でも、殊更なにを主張するわけでもなく、職家の皆さんがただ淡々とお仕事をされている姿が番組からは伝わってきて・・・
伝統的な美意識や工芸技術を現在の私たちも享受することができるのは、こういう方々のお陰だなぁと、改めて尊敬の念を感じざるを得ませんでした。
もっとも、この番組、お茶をやっている人はご覧になった方が多く、似たような感想を皆さん持つとは思うのですが、茶の湯に馴染みがない方には、果たしてどんなふうに映ったのかしらと、少し興味があります。
少なくとも、「新ジャポニズム」と謳い、なるべくドラマチックに見せたいであろうNHKの意図ほどは、ドラマチックではなかったのではないかと(どうなんでしょ? NHKの人、気悪くしそうやけど。)。
ただ、もしそうだとすると、やはり、1時間のテレビ番組では、なかなか伝えきれないことがたくさんあるということだと思いますし、そういうところも「茶の湯」の魅力だと私は思います(^ ^)
