茶筌(ちゃせん)。
見た目に変わった道具です。
茶道をしない人でも、この茶筌が抹茶を撹拌させるための道具だということはご存知かと思います。
茶碗に抹茶を入れて、お湯を入れて、シャカシャカする、あれ、です。
ちなみに、抹茶を泡立てることが目的ではなく、撹拌させることが目的です。
抹茶の泡だて具合にも、実は流派によって違いがあるようで、表千家ではお湯の表面全部を泡立てたりはせず、泡だっていない部分が半月ぐらいに残る感じに仕上げるのが普通です。
池のような景色、と例えることもあります。
ところで、茶筌は、奈良県生駒市高山産のものが有名で、一子相伝で何代にも渡って茶筌師として伝統を守り続けている家系もあります。
もっとも、作り手が減ってきていることは事実のようで、国産の茶筅の生産量は減少しているのではと思います。
先日、友人が、その辺の(?)竹を切り出して、独学で茶筅(らしきもの)を作っていました。
ちゃんと形になっていたこと自体すごいのですが、すぐに折れてしまって使えないものでした。
竹を選ぶところから、茶筅作りは始まっているのでしょう。
「選竹眼」という言葉もあるぐらいです。
一朝一夕ではなし得ない、職人の技、伝統文化を、絶やさず残していきたいものです。